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美しい歌声あるいは新しい季節の始まり

東京にソメイヨシノが咲き始めたものの、冷たい雨がそぼ降る花冷えの日曜日。
3月26日、主催ライブ【Les belles voix】が無事に終了した。
LesBelleVoix20170326.jpg
小田急線ホームから一本で地上に上がることが出来るエスカレーターが開通した下北沢駅から街へと出る。
会場は言うまでもなくSEED SHIPさん。
出演者、お客様を問わず、一度ここでライブを聴けば誰もがこの会場に惚れ込む、稀有なライブハウスだ。
ホール内にはオーナーさんが活けた花も飾られ、春の装い。
今回も写真を撮らなかったので、各出演者のSNSなどをご覧頂きたい(笑)

6回目となる今回は、これまでで最多の5組6人のミュージシャン達に出演してもらうことが叶った。
初出演の歌い手を2人迎え、主催者の自分にとっても新鮮なイベントとなった。
LesBellesVoiw20170326_fb.jpg
一番手は【Les belles voix】初出演ののぶよさん。
インターネット配信で彼女の綺麗な歌声と明るい人柄に触れ、彼女が【Les belles voix】に参加してくれたらとずっと思い描いていた。
少女のような笑顔の彼女だけれど、一旦歌い出した時の感情表現はまるで一流の女優のそれのように惹きこまれてしまう。
自分自身、これまで彼女のステージを直接観る機会に恵まれなかったことが残念だったけれど、それがこの【Les belles voix】で叶ったことが嬉しい。
インターネット配信での親しみ易さも魅力だけれど、ステージに立つ姿には艶やかさすら感じさせる。
そして、やはり歌声が素晴らしい。
柔らかく且つ芯のある響きを持つ癖の無い歌声と、豊かな表現力で聴衆の心を捕らえ、見事にライブの幕開けを飾った彼女に改めてありったけの拍手を送りたい。

彼女は現在オリジナル曲を制作中だけれど、その完成が楽しみだ。

MIHOさんは【Les belles voix】1回目に出演してくれた後すぐに活動休止に入った為これまで再出演が叶わなかったけれど、活動再開と聞いた時の喜びは例えようが無い。
『また彼女の歌声が、ピアノがライブで聴ける!』
彼女自身『またSEED SHIPのピアノを弾きたい』と一年半振りのライブをこの【Les belles voix】で行ってくれた。
以前は華やかな印象だったけれど、最近髪を黒く染めた彼女はむしろ艶やかに感じられた。
そして、活動休止前に聴き馴染んだ曲から始まった演奏は新たにアレンジも加えられ一段と魅力を増していた。
『暗い曲ばかり』という彼女の自作曲だけれど、切ない歌声と煌びやかなピアノに彩られて聴く者の胸を打つ。
終曲は上原ひろみさんのカバー。
この選曲に彼女の今回のライブに対する思いを垣間見た気がして胸が熱くなった。

3ピースのジャズバンドでの活動も控えているという。
今後の展望が楽しみだ。

三番手は男性デュオのTreasure Garden
昨年7月の【Les belles voix】4回目に出演の後、ワンマンライブ開催、ラジオ出演、ブラジルでのライブイベントに出演と波に乗っている。
現在アルバム制作中と多忙ながら再出演を快諾してくれた。
彼等のライブはいつもチャレンジングだ。
アレンジを変え、楽器も持ち変え、カバー曲を変える。
今回は、折井篤志さんがヴォーカル、中村友一さんがピアノに専念するスタイル。
スローバラードに珠曲が多く、また楽しいステージ構成が持ち味の彼等だけれど、今回はどちらかといえば男臭い演目でのステージとなった。
折井さんの、ポピュラー音楽の世界では貴重なバリトンの歌声と、繊細なピアノという印象が強かった中村さんのダイナミズム。
濃密な時間を味わうことが出来た。

今後も、アルバムの完成や再びブラジルでの活動が予定されている。
彼等が次に【Les belles voix】のステージに立つ時、また新たな一面を見せてくれるだろう。
楽しみでならない。

四番手は向後宏子さん。
彼女の歌声の第一印象は白いニット。
やがてその印象は草木染に変わる。
そして、印象派の絵画をも思わせ、今では短編映画だと感じている。
柔らかく抜け感のある歌声、歴が浅いとは思えないギターのセンス、感情を吐露しているようでいて抑制もされた演奏、聴く度に深まる音楽性。
先人に例えようかとも考えたこともあるけれど、彼女の音楽は他の誰かから発せられるものと同じではない。
「ろこ(彼女のニックネーム)」というカテゴリーだ。
今回の演奏も勿論素晴らしく、客席の皆さんが彼女の演奏に聴き入る様子が肌で感じられた。
自分自身、感動で体のあちこちが熱くなり、あらゆる部分が震えた(笑)
演目を、カバー曲を含め3曲に絞り込んでのステージだったが、なんとも充実した内容だった。

そんな彼女は、先日トーナメントライブに参加し楽曲配信の権利を手にしたことにより、音源制作を控えている。
彼女の音楽が一人でも多くの音楽を愛する人達の耳に届くことを願って止まない。

古荘美和さんは前回に続いての出演。
今回の出演が決まった時点で「トリ」は彼女に、と決めていた。
3月という時期の為、先日地元大分に帰りかつての音楽仲間に会ってきたようだ。
そこで何を感じたのかは推し量るには余りあるけれど、今回のライブに対する意気込みに通じたのだろうか。
前回は抑制感のある演奏だったけれど、今回はまるで「全身で歌う」ような姿が印象的だ。
柔らかく且つ張りのある歌声、感情を映したような抑揚、まるで演劇の舞台を観ているかのようにその圧倒的な表現力に惹きこまれてしまった。
会場にいる全員が息を呑んで彼女の歌声に聴き入っていらっしゃったけれど、自分自身聴衆の一人としてひとりでに目頭が熱くのを抑えられなかった。

終曲に別れの歌を選んだ彼女が、この東京で新しい季節を迎え、これからどんな歌を歌っていくのか。
【Les belles voix】のお客様方にも今後の彼女の活躍に注目して頂きたい。

改めて、出演者の皆さん、ご来場頂いたお客様方、残念ながらご来場は叶わなかったけれど【Les belles voix】の開催を応援して頂いている方々、会場のSEED SHIPさん、本当にありがとうございました。
幸いにも次回開催が既に決定しています。
6月7日(水)、開場は同じくSEED SHIPさん。
次回も楽しいライブになること請け合います。
乞うご期待(笑)


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